肩甲骨の異常運動の臨床的意義 Scapula summit 2013


 肩をスムーズに動かすためには様々な要素が関与します。


「肩甲骨が硬い」


という言葉を聞きます。

おそらく肩甲胸郭関節の可動性が低いことを指していると思われます。




一般の方でも肩(肩甲上腕関節)にとって肩甲骨(肩甲胸郭関節)が密接に関係している
ことを知っていることも多いと思います。


また医療者やトレーナーの方はよくご存じかと思います。



実際自分の肩甲骨は硬いかな?と感じる人も少なくないのではないでしょうか。



肩甲胸郭関節の異常な運動は臨床的によく出会います。
また肩周辺に痛みを感じて十分に運動ができていない方には
その傾向が強いと思います。



「異常な動きを知ることでどのような臨床的メリットがあるのか?」
「肩甲骨の動きの異常が認められる傾向」
を調べてくれている論文があります。


これを知ることで
肩甲骨の正常に動くことの重要性を知るきっかけになると思います。

 

Clinical implications of scapular dyskinesis in shoulder injury

肩の損傷における肩甲骨の運動異常の臨床的意義


scapular summit(2013)



W Ben Kiblerら





Abstract

The second international consensus conference on the scapula was held in Lexington Kentucky. The purpose of the conference was to update, present and discuss the accumulated knowledge regarding scapular involvement in various shoulder injuries and highlight the clinical implications for the evaluation and treatment of shoulder injuries. The areas covered included the scapula and shoulder injury, the scapula and sports participation, clinical evaluation and interventions and known outcomes. Major conclusions were (1) scapular dyskinesis is present in a high percentage of most shoulder injuries; (2) the exact role of the dyskinesis in creating or exacerbating shoulder dysfunction is not clearly defined; (3) shoulder impingement symptoms are particularly affected by scapular dyskinesis; (4) scapular dyskinesis is most aptly viewed as a potential impairment to shoulder function; (5) treatment strategies for shoulder injury can be more effectively implemented by evaluation of the dyskinesis; (6) a reliable observational clinical evaluation method for dyskinesis is available and (7) rehabilitation programmes to restore scapular position and motion can be effective within a more comprehensive shoulder rehabilitation programme.





 肩甲骨に関する2回目の国際コンセンサス会議がケンタッキー州レキシントンで開催されました。会議の目的は、肩甲骨の様々な肩の怪我への関与に関する蓄積された知識を更新、提示、議論し、肩の怪我の評価と治療に対する臨床的意義を強調することでした。
対象領域は、肩甲骨と肩の損傷、肩甲骨とスポーツの関与、臨床評価と介入、および既知の結果が含まれていました。

主な結論は次のとおりです。
1)ほとんどの肩の怪我において高い確率で肩甲骨の異常運動が存在する。
2)肩の機能不全を引き起こすもしくは悪化させる異常運動の役割は明確にはわからな
   い。
3)肩のインピンジメント症候群では、肩甲骨の運動異常に特に影響を受ける。
4)肩甲骨の異常な運動は、肩の機能障害潜在的な障害として考えることができる。
5)運動障害の評価により、肩損傷の治療戦略をより効果的に実施できます。
6)異常運動を評価するより確実な臨床的観察が利用できる。
7)肩甲骨の位置と運動形態を正常化するリハビリプログラムは、肩のリハビリプログラム
  内においてより効果的である。

 

【本日のまとめ】

 

 2013年ケンタッキー州で行われた、肩甲骨に関する国際会議において

「肩の怪我・障害には肩甲骨の異常運動が関与していることが多く、この異常運動を観察することによって治療戦略をより効果的なものにすることができる。」


との結論となった。
しかし具体的な異常運動は定義されてはいないため、具体性に欠き一般的な結論に至ったと捉えることができる。一方異常運動を定義できないほど様々な異常な運動パターンが存在し、各々の治療戦略は違うため、異常運動をサブグループ化しておくことの重要性を改めて思い知ることになる報告となった。



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